君の名は。

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今話題の映画「君の名は。」、公開から時間が経ってもなおその勢いは衰えず、もはや社会現象と言っても差し支えないほどになった今年の邦画一番のビッグタイトル。

 

今回はこの「君の名は。」を見てから、自分の中でこの作品について何かをつかみ損ねている気がしてならないのでそれを全部整理するためにも感想を書いていきます。

 

千年ぶりに訪れる彗星、それを一心に見る女の子と男の子。

女の子は田舎の歴史ある神社の娘で町長でもある父親との確執、それを同級生から冷やかされるも友達に励まされながら多感な学生生活を送りつつも、どこか息苦しさを感じ都会の華やかさに憧れを抱き、「来世は東京のイケメン男子にしてくださーーーい」との夢。

一方の男の子は東京のど真ん中で生まれ育ち、学生生活と並行してバイトにも勤しみ同じバイトの先輩に淡い恋心を抱く。

そんな何一つ接点のない二人。

ある日、女の子は夢を見る。それは自分がある男の子になり都会での生活を謳歌する夢。同時に男の子も田舎の女の子になる夢を見る。

繰り返し見る夢、起きるとかみ合わない周囲との実生活。そう、二人は夢を見ていたのではなく入れ替わっていた。

入れ替わる中で二人だけのルールを決め、少しあわただしいながらもこの奇妙な二重生活に適応していく。

そんな中、女の子の助力もあって憧れの先輩とデートすることに。突然の出来事に驚きうまく立ち回れずにいる中見つけたあの田舎の写真。デートもどこかかみ合わないまま終了しいきどおる男の子。

この日を境に、二人が入れ替わることはなくなる。

男の子は拙い記憶を辿りあの町の絵をかきあげその絵を頼りに女の子に会いに行くことを決める。少ない手がかりの中ついにあの町の情報を手に入れるが、あの町は三年前に彗星が落ち甚大な被害をだしなくなっていた事実を知る。

入れ替わっていた女の子とは三年のラグがあり混乱していく。その中で次第にまたひとつ、またひとつとあの日々のことが思い出せなくなっていく。それでも記憶を辿り大惨事を防ぐためにももう一度入れ替わる方法を試しに行く。

なんとか入れ替わりに成功して友達とともに町の人を避難させるために町中を走り回る。

そしてようやく会うことができた二人、わずかな時間の中で気持ちを確かめ合い忘れないために互いの手に名前を書く中で時間切れ。

その後の町の行方と二人のゆくすえはいかに、、、、

 

ってのが意訳バリバリのあらすじでもっと簡単に言えばSF調のボーイ・ミーツ・ガールの超王道ラブコメアニメ映画と言えるだろう。

 

公開前から各メディアなどでも取り上げられあの秒速5センチの新海誠の新作!音楽はRADWIMPSが担当!なんて言われりゃ興味もわいてくるわけで。

 

個人的な感想からいえば ”普通” に面白かった。

そう面白かった。普通に面白かったけどそれ以上の感動が得られなかったというのが正直なところだ。

 

気になるところを少しずつ上げていこう。

まずはRADの音楽。音がデカすぎる。特に前半は画と音のバランスが悪すぎて気持ち悪さまで覚えた。ただこれについては特にRADがどうこうなどではなく単純に音響のバランスであるということは強調しておきたい。中盤の前前前世がかかるシーンからはバランスも良くなり比較的気にはならなくなっていた。ただ劇半として書き下ろされた曲についてはそこまでの感想は出てこなかった。インタビューなどで映画と音楽の関係性については散々言及されていた割にはシンクロ性は低かった気がしなくもない。裏を返せばRADの個性が強すぎたのだろう。現に前前前世はまさにRAD節全開の曲である。

次にストーリー。これまでの新海作品は見たことがないので、バッドエンドどうこうハッピーエンドどうこうの話は正直興味がないがおおむね悪くなかった。だって身も蓋もない言い方すれば男の子と女の子が会ってハッピーエンドなんだもん、超王道すぎてなんも言えない。逆に言えば王道すぎて期待をいい意味で裏切られることもなかった。

ほかによく聞く話だと二人が惹かれあう動機が弱いとか言われているがまあ入れ替わったことないし当事者じゃないとわかんないでしょみたいなスタンスなで深くは触れない。ってかそれ言い出したら野暮ってもんじゃない?彗星の軌道がどうとかもあったけど所詮フィクションなわけで語るところはそこじゃないじゃんみたいな。

次は各キャラ。キャラデザ自体はどのキャラもキャラ立ちが良いしすごい好みである。調べればあの花の人がキャラデザということでそりゃはずさねえわと。個人的には妹ちゃんのキャラがすごいツボですとだけ(ロリコンじゃないよ)

声優についてもアニメ映画なら荒れる要素の一つ俳優の起用もうまくはまっている。女の子の人はすごいナチュラルにはまっていたし先輩の長澤まさみに至ってはエンドロールで見てからも違和感なく演じられていた。その中で一つ気になったのが神木くんだ。神木くん×アニメ映画と言えばサマーウォーズがある。あの映画と比べると神木くんの演技がちょっと下手に聞こえてきた。特に男の子として演じているときはどこか違和感が覚えた。ただ女の子としての演技は抜群に上手かった。

あと画が綺麗だとかそんなのは今更語ることか?とだけ付け加えよう。

 

気になったところが少しじゃなかったけどそれは気にせずに次はいいところを。

個人的にぐっと来たのは彗星が迫る中町民に避難を促して回るシーン。みんなが冗談半分に聞きながらふと上を見上げるシーンで町中のカットが映し出されるシーンで映る川にかかるあの橋!男の子の自室の壁に貼ってあった絵の中に書かれていたあの橋である。記憶をもとに書かれた絵だろうからあの橋であるのはもちろんなのだが。あの橋を見たときに涙腺が熱くなり、彗星が町に降り落ちるシーンで橋が呑み込まれていくときにはもう画面を直視できずにいたほどあの橋が好きだ。エンドロール前で資料を眺めるシーンで橋の写真が出てきたときに門”人”橋なのか門”入”橋なのか見分けられなかったのだけが悔やまれる。

 

長々と書いてきたけどたぶん感想としてはこんなものでしょう。みんなやっぱハッピーエンドが好きなんだろうね。結局は期待しすぎてただけなのかも。そんなもんか。まあ良い映画ではあるのでデートにはもってこいなんでしょうね、意外とカップルとかよりもグループで見に来てる人が多かったのが意外でした。

 

今回の入れ替わりとも少し違うけどSFものだと14年のイーサンホーク主演映画プリデスティネーションがとてつもなく素晴らしいので誰か見てください。